近年、健康寿命という概念が注目されています。
健康寿命とは、病気や障害に悩まされることなく、健康的に日常生活を送れる期間のことを指します。
歯の健康が健康寿命に大きく影響を与えることは、多くの研究で明らかにされています。
特に、歯周病の予防が重要です。
この記事では、歯周病リスクを下げることで全身疾患のリスクも軽減される理由と、8020運動について解説します。
目次
■歯周病で歯が抜ける
◎歯周病は歯槽骨を溶かす病気
歯周病は、歯を支える歯槽骨を徐々に溶かしていく病気です。
初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行し、最終的には歯が抜け落ちてしまうことがあります。
むし歯と並んで、歯の喪失の二大原因の一つといわれています。
歯を失うことで食生活に影響があり、全身の健康にも悪影響を及ぶ可能性が高まります。
歯周病は、単に口腔内の問題にとどまらず、全身の健康に大きな影響を与える病気であるため、早期の予防と治療が不可欠です。
歯周病は40代以降注意が必要な疾患で、高齢になるほどその割合は増えていきます。
■歯が全身の健康にもたらす効果
◎脳の活性化
歯が健康であることは、脳の活性化にもつながります。
咀嚼する際に脳が刺激され、血流が増加し、認知機能の維持や向上が期待されます。
特に高齢者にとって、噛む力を保つことは、認知症予防にも効果的であるとされています。
健康な歯で咀嚼することが、日常の生活において脳を活性化させ、健康寿命を延ばす一助となります。
◎消化吸収の改善
歯が健康でしっかりと噛むことができると、食べ物が細かくすりつぶされ、消化吸収がスムーズに行われます。
これにより、栄養素が効率的に体内に取り込まれ、全身の健康を保つことができます。
消化不良や栄養不足は、全身の免疫力低下や病気のリスク増加につながるため、健康な歯を維持することは、全身の健康に直結します。
◎コミュニケーションの円滑化と社会性の向上
健康な歯を保つことで、円滑なコミュニケーションが可能になります。
言葉をはっきりと発音できることや、口元の見た目に自信を持つことが、社会的な関係性にも良い影響を与えます。
健康な歯は、社会生活における自信を高め、積極的なコミュニケーションを促進します。
■8020運動の重要性
◎8020運動とは
8020運動とは、80歳で20本以上の歯を残すことを目指す運動です。
これは、歯の数が多いほど健康寿命が延びるという考えに基づいています。
◎20本以上の歯がもたらす健康効果
20本以上の歯が残っていることで、咀嚼機能が維持され、バランスの良い食事を続けることが可能になります。
さらに、歯を保つことで口腔内の健康も維持され、歯周病などのリスクも減ります。
この運動は全国的に推進されており、健康寿命を延ばすために大きく寄与しています。
■予防と日常ケアの重要性
◎日常のケアを大切に
歯周病の予防には、日常のケアが欠かせません。毎日のブラッシングや定期的な歯科検診が、歯の健康を守る鍵です。
特に、中年期以降は歯周病のリスクが高まるため、予防に力を入れることが重要です。
また、バランスの取れた食事や禁煙も、歯周病のリスクを下げるための有効な手段です。
【歯周病で歯を失わないように】
歯の健康は健康寿命に直結しています。
歯周病を予防することで、歯を喪失する可能性を軽減することができます。また、他の全身疾患のリスクも軽減され、より長く健康で充実した生活を送ることができます。
さらに、8020運動を実践することで、咀嚼機能を維持し、健康寿命をさらに延ばすことが可能です。
日常のケアを怠らず、定期的に歯科検診を受けることが、健康寿命を守る第一歩です。