フッ化物洗口は、お子様のむし歯予防に効果があります。
歯科予防治療の一環として多くの学校などで採用されています。
しかし、その一方で「デメリット」や「危険性」といった不安の声が聞かれることもあります。
この記事では、フッ化物洗口のメリットとデメリットについて詳しく解説し、正しい知識を持つためのポイントを紹介します。
フッ化物洗口の基本的な情報は前回の記事をご覧ください。
目次
■フッ化物洗口のメリット
◎むし歯予防効果の高さ
フッ化物は歯の表面を強化し、むし歯の原因となる酸に対する耐性を高める効果があります。
幼稚園では毎日、小、中学校では週1回のフッ化物洗口を取り入れているところが多いです。
特に乳歯や生えたばかりの永久歯はむし歯になりやすいため、フッ化物洗口を行うことによってむし歯予防効果を実感しやすいです。
◎手軽に取り組める予防法
フッ化物洗口は、歯科医院での治療を必要としないため、自宅や学校で継続しやすいです。
薬局などで手軽に入手できるフッ化物洗口剤を使うことで、日常生活の中にむし歯予防を取り入れることができます。
このようにフッ化物洗口は普段の生活に取り入れやすい点がメリットです。
■フッ化物洗口のデメリット
◎フッ素中毒のリスク
フッ化物洗口の薬剤を誤って大量に飲み込んでしまうと、「フッ素中毒」という状態になる可能性があります。
これはフッ素を過剰摂取した場合に起こり、吐き気や腹痛といった症状が見られることがあります。
ただし、一般的に家庭で使用するフッ化物洗口剤は濃度が薄く、体重20kgの子で、180ml程度を一気に飲み込まないと中毒にはなりません。
薬剤を保護者様がしっかり管理し、一般的な使用方法を守れば、中毒のリスクは極めて低いといえるでしょう。
◎フッ素過剰症(斑状歯)のリスクは?
過剰なフッ素を長期間摂取した場合、歯の表面に白い斑点ができる「斑状歯」という症状が見られることがあります。
これは、主に成長期の子供が水道水などから過剰にフッ素を摂取した際に起こりやすい症状です。
通常のフッ化物洗口を行っている限り、このリスクはほとんどありません。
◎味への抵抗感
フッ化物洗口剤には硬水のような風味がありますが、市販されているものはシトラスなどの風味に整えられていることが多いため、過度に心配する必要はありません。
■フッ化物洗口は危険なのか?安全に使うためのポイント
◎適切な濃度・量を守る
フッ化物洗口剤は使用する際の量が決められており、これらを守ることが大切です。
過剰摂取を避けるため、子どもが適量を使用しているか、教師や親御さんがしっかり見守る必要があります。
◎飲み込まないように指導する
フッ化物洗口剤は、誤って飲み込んでしまわないよう注意が必要です。
特に年齢が小さい子どもには、洗口中に飲み込まないよう指導を行い、慣れるまではしっかりとした指導とサポートが必要です。
◎定期的に歯科でチェックを
フッ化物洗口は予防効果が高いものの、むし歯リスクを完全に取り除くわけではありません。
定期的に歯科医院でチェックを受け、プロによるむし歯予防処置を受けましょう。
フッ化物洗口だけに頼らず、歯科医師と連携して総合的な予防を行いましょう。
【正しく使えばリスクは極めて低い】
フッ化物洗口はむし歯予防効果が高く、子どものむし歯予防に効果的として広く利用されています。
使い方を守ればフッ素中毒や過剰症のリスクは低く、安全に使うことが可能です。
小児期からのむし歯予防習慣として取り入れることで、将来の歯の健康を守りましょう。
親御さんは、フッ化物洗口の正しい使い方を理解し、家庭や学校で安全に実施できるように見守るようにしてください。