タバコは健康に悪影響を及ぼすと1度は耳にしたことがあるかもしれません。
喫煙が原因で歯がボロボロになることは珍しいことではなく、特に歯周病との関連が強く指摘されています。
この記事では、喫煙が歯に与える影響や、非喫煙者と比べて喫煙者が歯周病になりやすい理由について詳しく解説します。
目次
■喫煙が歯や口腔内に与える影響
◎ヤニによる歯の黄ばみ・着色
タバコに含まれるタールやニコチンは歯に付着し、黄ばみや黒ずみの原因となります。
特に長期間喫煙していると、通常の歯みがきでは落とせないほどの着色が蓄積します。
ホワイトニングを行っても、喫煙を続ける限り再び黄ばんでしまうため、白い歯を保つのが難しくなります。
◎口臭の悪化
喫煙によって発生する口臭は独特の強い臭いを伴います。
タバコの煙に含まれる化学物質が口腔内に残ることで臭いが発生し、口臭を抑えるためのガムやマウスウォッシュを使用しても一時的な対処にしかならず、根本的な解決にはなりません。
◎唾液の分泌量が減少し、むし歯リスクが上昇
タバコを吸うことで唾液の分泌が抑制され、口腔内が乾燥しやすくなります。
唾液は、細菌の増殖を防ぎ、歯を保護する役割があります。しかし、喫煙によってその働きが弱まるとむし歯や歯周病のリスクが高まります。
特に、夜間は唾液の分泌が少なくなるため、喫煙者は寝ている間に口腔内環境が悪化しやすくなります。
◎味覚が鈍くなる
喫煙者は非喫煙者に比べて、食べ物の味を感じにくくなり、食事の楽しみが減少することがあります。
これは、タバコの煙に含まれる有害物質が舌の表面を覆い、味を感じる細胞の働きを阻害してしまうためです。
■喫煙と歯周病の関係
◎免疫力の低下により歯周病菌が増殖
タバコに含まれる有害物質は、歯肉の血流を悪化させ、免疫力を低下させます。
これにより、歯周病菌が増殖しやすくなり、歯肉が炎症を起こしやすくなります。
非喫煙者であれば自然に修復される小さな炎症も、喫煙者の場合は回復が遅れ、歯周病が進行しやすくなります。
◎歯周病に気づきにくくなる?
いくつか説はありますが、喫煙によって口腔内の知覚が鈍るため、歯肉の腫れや違和感を感じにくくなる場合があります。
そのため喫煙者は、気づいた時には歯周病が大幅に進行していたということもあります。
◎インプラント治療の成功率が低下
歯周病が進行し歯を失った場合はインプラント治療を検討することがありますが、喫煙によってインプラント治療の成功が妨げられてしまうことがあります。
これは血流の悪化により、骨と埋め込んだインプラント体の結合がうまくいかず、治療後のトラブルが起こりやすいためです。
そのため、多くの歯科医院ではインプラント治療を行う際に禁煙を推奨しています。
■喫煙による歯のダメージを防ぐには
◎禁煙を検討する
効果的な対策は、やはり禁煙です。
禁煙をすることで血流が改善し、歯肉の色や免疫力が回復しやすくなります。
禁煙することで口腔内の環境は改善し、長期的に見れば歯を失うリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
◎定期的な歯科検診を受ける
喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の進行が早いため、より頻繁に定期検診を受けると良いでしょう。
少なくとも3ヵ月~6ヵ月ごとに歯科医院でチェックを受け、歯石除去やクリーニングを行うことが重要です。
◎歯磨きをしっかり行う
喫煙者は歯垢(プラーク)や歯石がつきやすいため、通常の歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使ったケアを習慣にすることが大切です。
タバコによる着色汚れを防ぐために、ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使用するのも有効です。
【歯のためには禁煙を】
喫煙は歯に良くない影響を与えます。黄ばみや口臭の悪化だけでなく、歯周病のリスクを大幅に高めます。血流の悪化や免疫力の低下により、歯肉の炎症が進み、最終的には歯を失う原因となることもあります。
タバコによる口腔内のダメージを防ぐためには、禁煙することが効果的な方法です。
また、定期的な歯科検診や適切なデンタルケアを行うことで、歯や歯肉の健康を守ることができます。
健康な歯を維持するためにも、喫煙習慣を見直し、歯科医院でのチェックを欠かさないようにしましょう。